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T-Time for BE-500 ver 3.2.1 徹底レビュー
2002年3月22日、l'agendaユーザにとって待望の T-Time for BE-500 の正式版、version 3.2.1 がボイジャーよりリリースされた。すばらしいソフトウェアを世に出してくれたボイジャー開発陣にまずは感謝したい。
いままで当サイトで報告してきたように、version 3.0 Beta ではさまざまな不具合があった。また、T-Time for PocketPC との機能上の違いもあった。
今回リリースされた T-Time for BE-500 version 3.2.1 (以下 ver 3.2.1 と表記) は、いままでのバグフィクスおよび T-Time for PocketPC と同等の機能が搭載されている。
ここでは、それらについてひとつひとつ検証していきたい。
なお、本文中の機能名称等は基本的にはボイジャーの用語であるが、不明なものについては独自用語を使用している。詳細は各自ヘルプを参照されたい。
●バグフィクス検証編
1. 特定の文字列以降の本文不表示
(ver 3.0beta での現象)ドットブック、テキストファイルなど、本文に特定の文字列(「&」など)があると、それ以降が表示されない。
ver 3.2.1 では解消していることを確認。
鈴木明「リリー・マルレーンを聴いたことがありますか」(文藝春秋)より。ver 3.0beta (左の画像) の場合は、文中の"Folk Song & Sailor Song" の"&"およびそれ以降が表示されなくなってしまっているが、ver 3.2.1 (右の画像)ではちゃんと表示されることが確認できた。
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| ver 3.0beta の場合 |
ver 3.2.1 の場合 |
2. 横書きのドットブックが縦書き表示されてしまう
(ver 3.0beta での現象)横書きが標準のドットブックが縦書きで表示されてしまう。
ver 3.2.1 では解消していることを確認。
ASCII24/アスキーPC Explorer「ASCII24 PDAレビュー 全17機種 2001-2002」(アスキー)より。ver 3.0beta の場合 (左の画像)はドットブックを開くと縦書きになってしまうが、ver 3.2.1 (右の画像)はちゃんと(最初から)横書き表示されることを確認できた。
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| ver 3.0beta の場合 |
ver 3.2.1 の場合 |
3. 本文が一部表示されない。
(ver 3.0beta での現象)原因不明だが、ページをまたぐときに、一部文字列が表示されない(飛ばされる)という不具合があった。また、関連性は不明だが、ページがめくれない不具合(明かずのページ)もあった。ともに表示メニューから縮小あるいは拡大を行なうと、読めるようになる。
原因不明(どのような条件の場合に発生するかわかっていないため)ver 3.2.1 では直っているかどうか未確認。ver 3.2.1 では今のところ現象は発生していない。
今後もし現れるようであれば随時報告する。
4. カタログ画面で特定文字列以降が表示されない
(ver 3.0beta での現象)テキストとHTMLファイルについて、ファイル名に特定の文字があると、カタログでその文字まで表示されず、それ以降のみ表示される、という不具合があった。
例:確認できた文字「表」「十」。
ver 3.2.1 では解消していることを確認。
ver 3.0beta の時の画像がないが、以下の画像のように ver 3.2.1 で「立原道造 夏秋表.html」や「早見秋 十八歳のモノローグ.html」が正常に表示されることが確認できた。(ver 3.0betaの時はそれぞれ「.html」と「八歳のモノローグ.html」となっていた。)
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| カタログ表示(ver 3.2.1)HTML のみ表示 |
●新機能検証編
1. カタログ画面
ver 3.0beta と比べ、リストに書名、著者名、出版社名だけでなく、サムネイルが表示されるようになった。(小さいリスト<下の画像右側>では書名とサムネイルのみ表示)
下の画像はver 3.2.1 のカタログ画面である。サムネイルは、表紙画像が縮小されたわけではなく、あらかじめ埋め込まれているものが表示される。表紙画像がなくてもサムネイルのみ埋め込んでいる書籍もある。逆に、表紙画像があってもサムネイルを埋め込んでいない書籍もある。サムネイルが埋め込まれていないドットブックについては何も表示されない。
カタログ画面でサムネイルをタップすると、そのドットブックの表紙に飛ぶことができる。ドットブックは一度読むと栞がはさまれるため、たとえば最後まで読むと、次に読もうとするとき最後のページに飛んでしまう。そのようなときにサムネイルをタップすると最初から読める。
ただし、あるドットブックを途中まで読み、一度カタログ画面にもどってそのドットブックのサムネイルをタップしても表紙には戻らない。カタログ画面に戻るだけではまだそのドットブックは閉じていないからである。
注:栞(しおり)とは、一旦書籍を途中まで読んで閉じた場合、次に開いたときにそのページが開くようになっている機能のことである。
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| T-Time カタログ(大) |
T-Time カタログ(小) |
上の画像のようにカタログ画面に書籍リストが一画面におさまらない場合は、右側にページめくりボタン(△▽)が表示され、ボタンあるいはボタンの先(上向き△ボタンの上のほう、下向き▽の下のほう)を押すと、書籍リストの次のページが表示される。(下の画像参照)
△▽の間のバーがカタログ画面のページ数を表し、白いバーが現在のカタログ画面の位置を表示する。
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| T-Time カタログ画面をめくったところ |
2. 書籍をひらく
カタログ画面で書名あるいはサムネイルをタップすると、以下の画像のような画面となる。このファイルの使用は、次の方の個人使用に限って許可されています。 ○○○○様 という使用者制限が表示されるのは ver 3.0beta と同じであるが、ver 3.2.1 ではあざやかな T-Timeロゴが表示されるようになった。(なお、e文庫など書籍購入時に会員登録が不要なサイトで購入したドットブックには、使用者制限については表示されない)
プログレスバーが一番右までいくと書籍が開く。開く時間はファイルサイズなどによって多少前後するが、だいたい5秒から10秒程度である。まれに20秒程度かかるものがあった。
なお、後述の設定変更時などにもこの画面が出る。頻繁に設定変更を行なう場合、この待ち画面でストレスを感じることもある。
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| 書籍オープン中 |
3. メインメニューバー/メニューバー
カタログ画面でもおわかりかと思うが、メニュー (メインメニューバー) の項目が、ver 3.0beta から ver 3.2.1 では変更されている。
ver 3.0beta ではファイル・移動・表示・情報だったが、ver 3.2.1 ではさらに付箋が加わっている。
各メニューのサブメニューを見てみよう。
サンプル画像は林雅子「神の手(上)」(e文庫)。
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| ファイルサブメニュー |
移動サブメニュー |
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| 表示サブメニュー |
付箋サブメニュー |
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| 情報サブメニュー |
新規に追加された付箋メニューの他、ver 3.0beta から大きく変わったのは表示メニューである。
付箋、表示メニューについては後述する。
メインメニューバーのすぐ下をタップすると、メニューバーが表示される。
メニューバーの▼アイコンをタップすると、サブメニューが表示される。このサブメニューから、基本的な操作はすべて行なえるようになっている。以下のようにメインメニューバーとメニューバーを二つ表示させていると、屋上屋を重ねる状態となってしまうが、フルスクリーン表示を行なう時に効果を発揮する。
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| メニューバー |
メニューバーのサブメニュー |
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| フルスクリーン表示時のメニューバー |
上記のように通常はフルスクリーン表示をさせ、普段は小さなl'agendaの画面を最大限に使い、操作を行いたいときだけ画面上部をタップしメニューバーを呼び出す、という使い方ができる。
4. ゲージ
ver 3.2.1 から追加された機能で、ゲージにより書籍全体のどのあたりを読んでいるかわかるようになった。(PC版T-Timeにはもともとある機能)
ゲージを表示させるには、以下のどれかの操作を行なう。
- メインメニューバーの「表示」サブメニューの「ゲージ」をタップ
- メニューバーのサブメニューから「ゲージ」をタップ
- 書籍本文の下部をタップ長押しする
特に3番目はコツがいるが、書籍の画面と l'agendaのシステムステイタスバーとの境目あたりをタップ長押しすると、ゲージが表示される。
タップしてすぐ画面から離してしまうと、ページめくりと認識されてしまうので注意。
また、ゲージを消す場合も、メニューからも出来るが、ゲージをタップ長押しすると消える。すぐ離してしまうと思わぬページに飛んでしまうので注意。
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| ゲージ表示(フルスクリーン時) |
ゲージをタップすることにより、そのページ位置にジャンプすることができる。ただし、適当にあたりをつけて移動するのならいいが(真ん中あたり、とか、最後のほう、とか)、正確なページに移動することはあきらめたほうがよいと思われる。
あくまでゲージは今どのあたりを読んでいるか、の目安とすべきだろう。
5. 付箋機能
これも ver 3.2.1 から追加された機能で、書籍に付箋をつけることができる。
気になった位置に付箋をつけておくと、あとから呼び出すことができる。
付箋のつけ方は、メインメニューバーの「付箋メニュー」から「このページに貼る」をタップする方法でもできるが、以下にメニューを使わない方法を解説する。
- 画面左端をタップ長押しすると付箋領域があらわれる。(画面左端のグレー部分)
- 付箋領域のすぐ右側(本文側。グレーでないところ)をタップ長押しすると、その位置に付箋をつけることができる。
- 付箋領域をタップ長押しすると、付箋領域が隠れる。(付箋が外れるわけではない)
- 付箋をタップ長押しすると、付箋が削除される
同じページに複数の付箋をつけることも可能。(あまり意味はないと思われるが)
タップ長押しによる付箋を貼る方法だと、自分の好きな位置に付箋を貼ることができる。
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| 画面左端に付箋領域が現れた |
付箋を付ける |
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| ページをめくると付箋はこう見える |
付箋をつけてページを移動すると、上記画面のようになる。付箋をタップすると、付箋をつけたページに移動する。
なお、メインメニューバーの「全ての付箋を削除」をタップすると、その書籍の付箋すべてが削除されるが、他の書籍はそのままである。
6. 書式設定
メインメニューバーの「表示メニュー」の「書式設定」をタップする、あるいは、メニューバーの「書式設定」をタップすると、以下のような「書式設定ダイアログ」が表示される。
また、画面の右端をタップ長押ししても「書式設定ダイアログ」が表示される。
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| 書式設定ダイアログ |
書式設定・縮尺 |
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| 書式設定・行間 |
書式設定・書体 |
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| 書式設定・その他 |
書式設定・組み |
以下、各設定項目で何ができるか、ヘルプより引用:
- 縮尺
60%〜300%の間で文字サイズの拡大縮小をすることが可能。ただしデフォルトでインストールされているフォントの場合、最小文字サイズは9ポイント、最大文字サイズは16ポイントとなる。
- 行間
標準より二段階づつ拡大・縮小が可能。
- 書体
書籍にフォント指定がある場合はそのフォントで表示をおこなう。指定のフォントがシステムに存在しない、または書籍にフォント指定がない場合は Tahoma フォントで表示をおこなう。書体メニューに表示されているフォントを選択すればそのフォントで表示をおこなう。
- その他
ルビ 表示/非表示の切り替え。
アンチエイリアス ON/OFFの切り替え。
アンチエイリアスをOFFにしたほうがページ送りが早くなる。
デフォルトはOFF。ただしデフォルトでインストールされているビットマップフォントの場合、アンチエイリアスが効果的ではない。また文字サイズも8ポイント固定になる。
- 組み
標準では書籍オリジナルの設定で表示される。書籍によってはページごとに組みを使い分けているものもあるが、縦書き・横書きを選択した場合は書籍全体の組みが一律に変更される。
各設定を変更し、OKをタップすると、書籍オープン時の画面が出る。最初から読みなおすため、書籍を開くときと同じ時間がかかる。ひんぱんに設定を変えるとこの待ち時間がかなりのストレスとなる。各書籍ごとの設定保存が可能になることが望まれる。
設定変更は複数の設定を同時に行なうことができる。
7. 画面の回転
ver 3.2.1 からの新機能で、画面を回転することができるようになった。これはかなり画期的な機能で、ver 3.0beta から ver 3.2.1 へのアップグレードで最大のメリットだと考えている。
画面は標準状態では縦長(標準)であるが、それ以外に以下のように横長(右手)、横長(左手)、縦長(倒立)の3種類が選択できる。それぞれl'agendaを右手に持つ、左手に持つ、ひっくりかえして持つ、時の位置となる。
以下の画像ではわざとメインメニューバーとメニューバーを両方表示させているが、ご覧のとおりメインメニューバーは回転しない。メニューバーは画面にあわせて表示される。
なお、書籍表示中に画面を回転した場合、カタログ画面もあわせて回転される。
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| 横長(右手)に回転 |
横長(左手)に回転 |
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| 縦長(倒立)に回転 |
カタログ(横長右手) |
横長の挿絵が多いドットブック(e文庫の月光魔術團シリーズ)など、横長で見るのによいが、それだけでなく、htmlなども横長で見たほうがいい場合もある。
2ちゃんねるのログなどをl'agendaで見る場合も、横長で文字を小さくするとかなり読みやすいのでお勧めしたい。
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| 2chラジェンダスレ横長(右手) |
●不満・要望編
現状の不満点、今後の改善要望点など。
- バグおよびフィクスした内容を公開してほしい
- カタログ画面を十字キーで操作できるようにしてほしい
- 書式設定を各書籍ごとに保存できるようにしてほしい
●謝辞
最後にもう一度、優れたアプリケーションを作られたボイジャー開発陣に感謝を。
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制作・著作 2002 コクマイテツロウ / 協力 himalayanakiusagi.net
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